学振DC1について

日本学術振興会特別研究員(通称: 学振 )DC1に申請しておりました。

結果は「面接免除で採用内定」でした。どのようにして申請書を書くべきなのか、いろいろな人のブログなどを検索して情報を集めたこともあって、自分も後世の博士課程を目指す修士学生のためにTipsを書き留めておきます。

まず結果としては、私の出した「総合」という領域では418人(取り下げ数も含)が申請し、採用内定予定者が67人、面接候補者数は30人、不採用者数は321人でした。この時点で採用内定率は20.87%です。やはり相変わらず狭き門だと実感しました。

 

修士での研究分野と博士での研究分野を変える場合での学振申請

私の場合、博士課程から別の分野に変えて指導教員も変わるという立場でしたので、受け入れ研究者は「未定」で出しました。博士後期課程の一次試験は8月下旬で二次試験は1月末ということで、申請する5月末の時点では合否が分からない状況だったからです。

審査員に「なんでこの人は未定なんだ、どこの研究室で研究するつもりなんだ?」と思われないために、「研究目的・内容」のところで”●●大学の〇〇教授の研究室に所属する”と明記しました。

2017年の申請から新たに「③所属研究室の研究との関連において、申請者が担当する部分を明らかにしてください」という指示が追加されたそうです。本人の自主性(研究室で言われたことをやっているだけではないか、自身が行っていない内容も記載されていないか等)を確認する目的だそうです。③に該当する記述を書いたつもりでしたが東工大の事務から差戻しがあり【所属研究室の研究との関連における申請者の担当部分】という項目を追加して修正しました。

私の現在の研究分野は「離散最適化」と呼ばれるオペレーションズ・リサーチや理論計算機科学に関連する分野です。博士課程からは離散最適化の知見を活かして「機械学習」や「データマイニング」などの分野で研究がしたいと思っています。

ここで問題になったのが学振の申請書には「現在までの研究状況」と「これからの研究計画」がありますが、これからの研究計画を今の研究に寄せて書くか、全く別の研究で書くか、ということです。DC1採用者の先輩からのアドバイスで「審査員は"現在までの研究状況"を読んだ上で"これからの研究計画"を読むので研究内容に一貫性があったほうが読みやすい」ということを聞いて、今の研究の延長線上で第一稿を書きました。

(それに学振の申請書に書いた研究内容どおりに研究をしている先輩はあまりいない・・・という意味では審査員にいかに読んでもらえるか、理解してもらえるのかがずっと大事。いきなり今の研究と関係ない計画を博士でやりますと言っても信用も薄い)

今の研究の延長線で研究内容を考えた後に、その研究の機械学習分野への応用可能性を考えて、それも研究内容に盛り込むなどとしました。しかし博士からの研究分野に既に十分な知見があり既に関連研究を行っていればこんなことをしなくて良いかと思われます。でも、申請書を書く修士2年の4月にそういった状況にいるのは難しいかと・・・。

学振申請書を書く上で重要だと思ったこ

1. 学部4年生が分かるくらいの気持ちで書く

2. 紙面上プレゼンテーションと思って図を必ず入れる

3. 専門用語には修飾語をつけるか説明を入れる

4. とにかく周りの人に見てもらう

私のように初めて研究計画書を書く人は、4の「周りに見てもらう」が一番重要かと思われます。同じ分野でDC1採用者の先輩、研究室の助教、学部4年の友人の3名は特に何度か見てもらいました。さらに経済学の分野でDC1採用者の先輩、同分野で申請予定の学生、近い分野の先生、指導教員、受け入れ予定の指導教員に見てもらいました。

 

研究業績について

審査員の方はもしかしたら研究業績欄から見る方も多いのでは、と思われます。ここが白紙だと何十件も審査をしなればいけないという時間の都合上、じっくり読んでくれない可能性が高くなってしまいます。DC1は業績はそこまで重視しない、とも言われていますが、分野によっては業績がたくさんある人たちと同じ領域で戦う場合もあるので、ある程度頑張っておくことは必要だと思います。また、国際会議の書き方についても注意が必要で、分野によっては採択率9割以上の実質査読なしでも査読付き国際会議としていることもあるようです。他分野の審査員に対しても業績をアピールするために、査読付き国際会議には投稿数と採択数及び採択率も書いておきました。

ちなみに自分の研究業績はジャーナル0本、国際会議2件、国内会議6件、受賞2件でした。

 

終わりに

一応気になったことを書き留めました。詳しいTipsはやはり大上さんのスライドを参考にしてみると良いと思います。

近々院試についても書きたいと思います。

はじめに

はじめまして。とある理系大学院生が書いております。

進路に悩んだ時に他の学生や教員の方が書かれた記事を参考にして、大学院の入試や学振研究員の申請などに挑戦できたこともあって、自分も未来の学生に何か役に立てれば、と思いブログを開設しました。

今後の使い方は未定ですが、どうぞ宜しくお願いいたします。